奈良に都があった頃、藤原氏の氏寺として官寺と同等の待遇を受けていた興福寺。藤原不比等によって創建され外京という平城京を見下ろす高台にあり当時隆盛を誇っていました。
当時は堂塔の数170余りとかなりの大きさを誇っていた。現在は東金堂、五重塔、北円堂、南円堂、三重塔が残っています。
国宝の仏像も多く保管されていて興福寺は奈良でももっとも見どころの一つです。
では、興福寺のホームページに載っている「興福寺おすすめ拝観ルート」を辿ってみましょう。
三条通から猿沢池のほとりを歩く
アクセスは近鉄奈良駅から徒歩圏内で5分程度。東向商店街を南に進み三条通へ。
三条通りからせっかくなので猿沢池のほとりの道を歩きましょう。そして五十二段から興福寺境内へ。
猿沢池から五十二段越しに五重塔をみる
猿沢池の先に興福寺へ続く五十二段の石段があります。ここから境内に入ります。よくお寺は南大門から入ることが多いですが興福寺は南大門が現存していません。
五十二の階段は仏門への修行の段階を表現していて石段の下は六道の辻になっています。
石段を昇ると五重塔の前に出ます。京都、奈良へ行かなければ中々見ることが出来ない五重塔という建物。
奈良中心部のシンボル、国宝 興福寺 五重塔
国宝 奈良興福寺 五重塔。
高さ約50m。京都の東寺の五重塔に次いでの高さ。圧倒されますね。美しい建物です。
西国三十三ヶ所の一つ、南円堂は参詣者が絶えない。
興福寺 南円堂(重要文化財)。西国三十三ヶ所の第九番札所として多くの参詣者が訪れる。江戸時代の再建。
晩年の運慶作の仏像が眠る国宝、北円堂
国宝 興福寺、北円堂。普段は公開されていないため人影は無く、南円堂の奥にひっそりと佇んでいる。現存する八角円堂において最も美しいと言われています。
ここは都、平城京を見渡すことの出来る一等地で興福寺、創建者藤原不比等の1周忌に合わせて建てられたと言われています。
1210年ごろ鎌倉時代に再建されたのですが奈良時代創建当時の姿を残しています。
ここには運慶作で有名な無著・世親菩薩立像が収められている。2018年は4月21日〜5月6日まで特別公開されていました。
国宝級の仏像がずらり。興福寺 東金堂
国宝 興福寺、東金堂。堂内には十二神将立像(国宝)、四天王立像(国宝)、文殊菩薩坐像、維摩居士坐像と国宝がずらり。室町時代再建。
木造四天王立像と木造十二神将立像の16体は圧倒的な威圧感があり必見です。
東金堂と国宝館のセットの入場券を東金堂入り口で購入出来ます。興福寺は仏像、建物見どころがたくさんありますね。
東金堂 国宝館 共通券
大人・大学生900円
高校生・中学生700円
小学生350円
2018年1月にリニューアル、興福寺国宝館
今年、リニューアルされた興福寺国宝館。国宝の仏像たちが良い間隔、ライトアップされ魅力的に配置されています。天平時代の名だたる仏像、阿修羅像(国宝)、鎌倉時代の金剛力士立像(国宝)など公開されています。
特にしなやかな6本の腕と阿修羅という名にしては嘆き悲しむような繊細な表情の阿修羅像は天平文化の傑作として今も私達の心を捉えます。一度は生で見ておきたい。
阿修羅立像 734年制作 脱活乾漆造 153.4cm 国宝
八部衆のひとりである阿修羅、戦いを好み悪の神と言われています。3つの顔に6本の腕を持つ異形ですが、少年のような体格に3つの顔の表情が戸惑っているかのような繊細な心が見られます。その他の八部衆ももちろん惹きつけられる魅力があります。
国宝館では100円でミニサイズのパンフレットが販売されています。拝観する前に購入してじっくり見回るのをおすすめします。
約300年ぶりに再建中の中金堂。創建当時の規模で2018年10月に落慶します。楽しみですね。
見どころ、たくさんの興福寺。リニューアルされた最新の美術館のような国宝館が素晴らしいです。奈良観光の中心の窓口としていきなり奈良の良さが凝縮したような興福寺。また中金堂が落慶したら訪れたい。
- 法相宗大本山 興福寺
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- 住所:奈良市登大路町48番地
- 電話:本坊寺務所 0742-22-7755
- 営業時間 :10:00~16:15
- アクセス:近鉄奈良駅 東改札より
- 駐車場:9:00〜17:00 普通車46台 料金1,000円