カメラ片手に鎌倉七口の一つ、朝比奈切落し(朝夷奈切通)を散策してきました。写真はすべてニコンD5300とシグマ単焦点レンズArt 30mmです。
朝夷奈切通は鎌倉の中でも歴史が感じられ自然がいっぱいの気持ちのいいハイキングコースの1つです。
鎌倉時代から六浦の港と鎌倉を結ぶ重要な路だったようです。六浦津(六浦の港)は千葉の安房、上総など物資が往来する拠点でした。鎌倉の目の前の由比ヶ浜は浅いので港に不向きだったのでしょうか。
朝夷奈切通しコース 歩き方
おすすめは鎌倉駅からバスで六浦側の朝夷奈切通の入り口まで行き、鎌倉に入っていく順路が雰囲気でるかな、と思います。
鎌倉駅東口から京急バスで金沢八景駅行き(東口5)に乗りバスで朝比奈峠を越えて朝比奈のバス停下車。所要時間は約20分。下車したら少し戻ると左側に朝比奈切通し入り口の看板があります。
鎌倉駅東口 乗り場(東口5)
→バス停「朝比奈」で下車
→少し戻って左側の入り口を左折。
朝夷奈切通しは鎌倉七口で、最も高く嶮岨な路
バス通りから少し入ると入り口が見えてきます。結界や路の境目にある道祖神が並んでいた。
横浜横須賀道路の下をくぐって歩いていきます。
小切通(こきりどおし)
岩を削った見事な切通が現れました。ここは「小切通」と呼ばれています。古道感たっぷりですね。
所々に鎌倉のやぐら?の跡や石塔が。いつの時代のものなんでしょう?
源頼朝が勧請した鎌倉の守護神「熊野神社」へ
途中、熊野神社への分岐があります。熊野神社は源頼朝が鎌倉の鬼門にあたる地に守護神として熊野三社明神を勧請したという由緒ある神社です。
脇道にそれて10分ほどということなので立ち寄ってみます。
木漏れ日の杉並木の中、歩いていきます。
厳かな雰囲気の中、熊野神社が見えてきました。
鳥居をくぐり階段を上がると拝殿が見えてきます。
鎌倉時代から歴史があり江戸時代に再建、修復を重ねていたと記録が残っています。時代が変わっても大事にされてきたんですね。。平成になっても修復されているようできれいな拝殿がこんな鎌倉の山奥にありました。
拝殿の真後ろにはかつて使われていたのでしょうか?本殿へと続く急な階段が。今は右側に迂回路がありそちらから本殿へ。
一段上に立派な本殿が。主祭神は速玉男之命、伊邪那岐命、伊邪那美命とのこと。創建は1100年代までさかのぼります。
また元の道に戻り鎌倉を目指します。鎌倉石を踏みながら、そろそろ頂上になります。
朝比奈峠の頂上、大切通の磨崖仏
ちょうど頂上あたりが「大切通」です。岩には磨崖仏が見えます。高さ10mを切り開いた大土木工事の切通しです。
鎌倉側に降りていく道は西向きということもあるのでしょうか、薄暗くぬかるみが多くなります。道に沿って湧き水が流れています。
途中、石仏を拝んで降りていきます。
ぬかるみがあり石畳のような道ですので滑るのも注意が必要。
道に沿って湧き水が流れています。水源が豊富なのか下りはせせらぎの音を聞きながら歩きます。
鎌倉側の朝夷奈切通の入り口です。読めないですが立派な石碑がありました。朝夷奈切通は物資を運ぶ重要な道であるとともに鎌倉を守る防御の要塞の役割もありました。
時代は下りますが南北朝時代、足利尊氏を倒すため陸奥から京へ進軍した北畠顕家はこの朝夷奈切通を突破して鎌倉を落としたという歴史があります。
他の鎌倉七口もそうですが今はのどかな遊歩道でもかつては鎌倉の奪い合いの激戦地であったんですね。
朝夷奈切通を歩き終えて
所要時間1時間ちょっとと丁度よいハイキングコースで、昭和の初めまで実際に使用されていた道とは思えないほどノスタルジーに浸れる古道でした。
鎌倉の中心部から外れて静かで自然いっぱいの道。鎌倉時代に思いを馳せながら歩いてみてはいかがでしょうか。